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「遠慮のかたまり」の意味
「遠慮のかたまり」とは、「複数人でシェアしている大皿料理で残った1つの食べ物」を意味する関西弁です。特に大きいサイズの食べ物(串物とかピザ)だと、最後に一つだけ残りがちですね。そんな時、「この遠慮のかたまり、俺がもらうわ」のように用いられます。
遠慮のかたまりの英語表現
- a last serving/piece of food (on a shared plate)
「最後の一つ、一かたまり」という意味。 serving/portion は「一人分、一つの食べ物」という名詞です。特定の食べ物を指す場合は、上の food を食べ物の名前に変えてください (e.g) the last piece of pizza
- a last piece of food that everyone is too embarrassed to reach for.
上の表現をより明確に表現したもので、「みんな恥ずかしがって手を伸ばさない最後の一つの食べ物」という意味。reach forで「手を伸ばす」というフレーズです。
- leftover
「食べ残し」「残った食べ物」という意味。「昨日の夕食の残り」は”leftovers from yesterday’s dinner”
- manners bit
これは、「食事の量が十分だったことをホストに示すために、マナーとして残した最後の1つの食べ物」を意味します。なので、遠慮のかたまりとは微妙に違います。
「遠慮する」の英語表現
「遠慮する」という概念は結構日本独特で翻訳するのが難しいです。あえて訳すと以下の表現となります。
- “hold back doing something (out of consideration for others)”
「(他人を思いやって)何かをするのを控える」
— hold back doing:「~するのをためらって控える」「身を引く」。
— out of consideration for ~:「〜を思いやって」。considerationはconsiderate「思いやりのある」という形容詞が名詞になったもの
なお、hold back doing と似た表現に refrain from doing がありますが、こちらは「(何か悪いことを)控える、慎む」という意味で、フォーマルな文脈でよく使われます。
(例)Please set your mobile phone to silent mode, and refrain from talking on the phone “
「携帯電話はマナーモードに切り替えていただき、電話での通話はご遠慮ください」(JR車内放送)
また、「遠慮」とは少し違いますが、
- be reserved「大人しい」「感情を表に出さない」
- be shy「恥ずかしがり屋」
なんかも日本人の性格を表すのによく使われます
「かたまり」の英語表現
「遠慮のかたまり」の訳には使いませんが、おまけで紹介します
- lump「小さなかたまり」(e.g.) suger lump (角砂糖)
- mass:「大きなかたまり」 (e.g.) a mass of clouds (雲のかたまり)
海外で「遠慮のかたまり」という概念はあるのか
イギリス人とアイルランド人に尋ねてみたところ、「遠慮のかたまり」が生じることはよくあるそうです。特に、ピザが1スライスだけ残るというケースが多く、そんな時は
- Please take the last piece「最後の一枚どうぞ」
- Shall we split the last piece「残りを分けようか?」
と言うことが多いそうです。
例文
Ex1
この遠慮のかたまり食べていいですか
Can I have the last piece (of the dish)?
Ex2
このピザの遠慮のかたまり、誰か食べる?
Does anyone have the last slice of pizza?
英語記事
遠慮の塊 (Enryo No Katamari): ‘A Last Piece of a Shared Dish’ in Kansai Dialect
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