「多い」の英語: many, a lot ofの類語・言い換え表現100

普段、英語で「沢山」や「多くの」という意味を表すときは “many”, “much”, “a lot of” 等がよく用いられますが、英語には他にも使えるフレーズが “山のように”あります。この記事では、そのような表現の使い方や意味の違いについて紹介したいと思います。新しい表現を見つけ次第更新していった結果、気づいたらこんなにも巨大なリストになっていました…笑。英語ライティングの参考にしてもらえたらと思います。

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「少ない」を意味するFewやLittleの類語、言い換え表現についても書きました。

「多い」や「沢山」を意味する日本語の類語を英語で説明しました。

目次

many/much シリーズ(形容詞)

quite a few

「かなり多くの」という意味です。fewなのに何故か「多い」という意味になることは、受験で習った人も多いでしょう。なお、 もっとストレートに “quite a lot of ~” と言うこともあります。

quite a bit of ~

bit は few/little をカジュアルにした日常会話でよく使う単語で、”quite a few” と同様に “quite a bit of ~” で “たくさん、めっちゃ”という意味になります。ちなみに、a bita lot と同じく、副詞としてもよく使います。(quite a bit better ≒ much better; a bit better ≒ a little better)

numerous

「多い」という意味です。manyよりやや多い感じがしますが、そこまで多くないときにも使えます。

enormous

numerous と比べて、数やサイズ、規模が非常に大きい (やや過剰な) 時に使います。数を表す時は、an enormous amount/number of ~ と使います。

various

「様々な」という意味で、種類やバリエーションが豊富な時に使います。”a variety of ~” とほぼ同義です。

massive

「(サイズが)大きい」を意味する、カジュアル気味な表現です。数や量を表す時は、a massive amount/number of ~ として使います。昔、英語の小論文でmassiveを使ったら「この単語はカジュアルすぎるからダメ」と言われたのを今でも覚えています。

plentiful

数、量が十分にある時に使います。ちなみに後で紹介する”plenty”の形容詞です。

abundant

「十分多くの」という意味です。(e.g.) abundant evidence「十分多くの証拠」。abundant には健康的なイメージ(e.g., an abundant supply of food「十分な食糧供給」, abundant land 「豊かな土地」)があると、英語講師の方がいっていました。なので、ピーナッツバターの量に対してabundant はやや変な感じがするとも(不健康なので)。こうした言葉のニュアンスやイメージまで体得するのは、なかなか時間がかかりますね。

sizable

イギリス英語では “sizeable” も可。 元々はsize (サイズ)から派生した言葉なのですが、現在は「多い、大きい」という意味で使われます。a sizeable salary とか a sizeable amount of money のように使えます。

copious

こちらも「十分多くの」、「かなり多くの」という意味です(copious の 定義文の中で上の “abundant”がよく使われます)。例文では、take copious notes「(豊富な、十分な)記録、ノートをとる」 という表現がよく出てきます。なお、copious amount(s) of  ~としてもよく使います。

ample

こちらも more than enough という意味です。(e.g.) ample evidence「十分多くの証拠」。ample time や ample knowledge とよく使います。

considerable

considerable はconsider 「よく考える」という動詞の派生語で、「相当な、かなりの」という意味になります。considerable time とか a considerable amount of time のように使えます。よく、他の派生語 considerate 「思いやりのある」という形容詞と混同されるので、要注意です。

significant

significant は「重要な」という意味ですが、転じて「大きな、著しい、大幅な」という意味にもなり、改善や影響などが著しい時によく使います (a significant improvement: 「大幅な改善」, a significant impact 「大きな影響」)。また、副詞の siginificantly の 形でもよく使われます (increase significantly: 「大幅に増加する」)。 なお、論文などでは「(数字の差などが)統計的に有意に大きい」という意味にもなります

(以前、「大幅に既存手法を上回った」という文脈で “significantly” を論文で使ったところ、査読者に「本当に有意なのか検証してないじゃないか」と変にツッコまれたことがあるので、その後は次に紹介する substantially とか by a large margin (大きな差で)を使うようになりました)

substantial

上のsignificant とかなり意味が似ている単語で、「大幅な、大きな」という意味です (a substantial difference: 「大きな・明確な違い」) 。substantially と副詞で使われることも多いです (improve substantially 「大幅に改善する」)。

prodigious

prodigious は「(程度、大きさ、サイズ等が)驚異的な、桁外れの」という意味で、「驚き」を強調した単語です (large+impressive)。そのため、amazing や marvellous, impressive のような「驚くほど凄い」という単語の類義語として辞書に記載されています。例:a prodigious effort =  並外れた努力、prodigious memory = 驚異的な記憶力。なお、 prodigious amount(s) of  ~ としても使えます。

astronomical

「天文学的な」という意味ですが、転じて「天文学的な数字・量(天文学で扱われるくらい桁数の多い数)」という意味になります。an astronomical number/amount/price/bill (巨額の数字・量・価格・請求書)のように使えます。

colossal

colossal も prodigious と同様に「驚くほど多い、大きい」という意味です。a colossal statue 「巨大な彫像」のように彫像を表すのによく使います(名詞形の colossus が「コロッサス、巨大な彫像」という意味です)。その他にも、 a colossal waste of time/money = 「尋常じゃない量のお金、時間の無駄」など。colossal amount(s) ~ もOK

countless

文字通り「数えきれないほどの」です 。(e.g.) countless times (数えきれないほどの回数)

hefty

「大きい」や「大量の」という意味です。a hefty man (大きな男)、hefty fine (沢山の罰金)

eye-watering

「涙目の」から転じて「(価格などが)高い」という意味になります。 eye-watering cost (泣きたくなるくらい高い費用)

manifold

「多数で様々な」を意味する、かなりフォーマルな単語です。聖書によく出てくる単語だそうです。(e.g.) manifold flaws「多くの様々な欠点」

profuse

「(何か受け取ったり生み出された物が)かなり多くの、過剰気味の」 という意味の単語で、[prəˈfjuːs] と発音します。profuse apologies 「くどいほどの謝罪・お詫び、平謝り」という表現でよく使われます。他にも、作物の収穫量や出血・発汗量なんかもに使われます。

monumental

元々は「記念碑的な」という意味 (monument = 記念碑)ですが、a monumental effort 「途方もない量の努力」や a monumental waste of time 「とんでもない時間の無題」のように、膨大な量を表すのにも使われます(むしろ、こっち意味の方が辞書で上に出てきます)。monumental task で 「とてつもなく大変なタスク(大仕事)」や monumental decision 「極めて重要な決断」とも。

galore

面白いことに、この単語は他の単語と違って名詞の後ろに置かれます。例えば、cars galore で「たくさんの車」という意味になります。ケンブリッジ辞書によると、カジュアルで古い表現なようですが、大学の先生が(カジュアルなチャットで)実際に使っているのを見たことがあります。

a 〇〇 of シリーズ

lots of

a lot of よりカジュアルな表現です。

a whole lot of

a lot of を強調したフレーズ

plenty of

「大量の、多くの」という意味で、上で紹介した plentifulと同義です。ちなみに、カジュアルな場面ではplenty は副詞として very という意味としても使われます。 (e.g.) plenty deep/big (めちゃ深い、大きい)

a large amount/number of

こちらも量が沢山ある時によく使います。基本的には、amountは不可算名詞、number は可算名詞に使います。数や量が過剰な時は、large の代わりに “inordinate” (過度の、法外な) や “excessive” (過剰な)、 “vast”(莫大な)等 を使います。(例: “I receive an inordinate number of emails” 尋常じゃない数の(読みきれなくらいの)メールを受信している)。

a sheer number/amount/volume of …

sheer は何かを強調するときに使われる表現で、例えば “by sheer luck” で「完全に運によって」という意味になります。したがって、sheer number/amount/volume of …で “多くの…” という意味になります。

a large group/cohort of

groupは文字通り「グループ、集団」を表すので、大勢の人から成る集団は “large group of people” と言えます。また、 cohort は 「(年齢など、共通の特徴・性質を持った)人の集団」を意味し、特に統計をとる時の母集団を表すのによく使います (例: “large cohort of subjects” 「(共通の特徴・性質を持つ)大きな被験者グループ」)

a variety of

「様々な」という意味で、上で紹介した variousと同義です。a large variety of とも。

a wide range of

range は「範囲」という意味で、 a wide range of ~ で「幅広い、様々な〜」という意味になります。

an array of

an array of  ~ で 「様々な、多くの〜 」という意味になります。array は元々「配列」という意味の単語なので、ずらりと並ぶようなイメージを出したいときに使うといいかもしれません (例: an array of food on the table)。また、a {vast/wide/impressive} array of ~のように、形容詞と一緒によく使います。

a collection of

本来、a collection of … は「…のコレクション、収集物」という意味ですが、比喩的に「たくさんの…」という意味にもなります(多くないとコレクションとは呼べないので)。例えば、 a collection of unclaimed umbrellas (たまっていった引き取り手のない大量の傘)のように、別に意図的に集めたものでなくても使えます。

an arsenal of

arsenal は「武器や兵器が蓄えられているところ、兵器工場」という意味ですが、転じて「武器のコレクション」という意味にもなります。そのため、an arsenal of guns 「大量の銃のコレクション」のように大量の武器を表すのに使えるのですが、他にも比喩としての「武器」を表すのにも使え、例えば、大谷選手の投球のことを a frightening arsenal of different pitches 「恐ろしく多彩なピッチング」と表しているニュース記事を最近見ました。

ちなみに、イギリスのサッカーチームの「アーセナル」はこの単語に由来しています(武器工場の労働者が最初に創設したチームのため)。

a number of

「沢山の」という意味でよく使います。さらに強調して “a great/large number of ~”とも。ちなみに、 the number of  ~は 「〜の数」という意味になるので注意しましょう。

a good/great deal of

量が沢山ある時によく使います。基本的にmoneyのような不可算名詞と一緒に使われます。

a bunch of

似たような物や種類が沢山ある時に使うカジュアルな表現です。(e.g.) a bunch of flowers (沢山のお花)。 なお、a bunch of friends のように人に対して使う用法は、アメリカ英語に多い用法です。ちなみに、”the best of a bad bunch” は「(どれも悪い、五十歩百歩の)選択肢の中のでのベスト」というイディオムです。

a load of/loads of

何かが沢山ある様子を表す、カジュアルな表現です。e.g., “loads of money”/”a load of money”

a plethora of

「過多な」「大量の」という意味のadvanced な単語で、「多すぎる」や「過剰」というニュアンスを含みます(ただ、必ずしもそうではないようです)。個人的にお気に入りのフレーズの一つです。

a myriad of

こちらも「無数の」という意味のadvanced な単語で、こちらも個人的によく使います。星の数のように数えきれないものに対してよく使います(あるいは誇張表現)。なお、元々は「1万」を表す単語だったようですが、この用法は今ではあまり見かけません。なお、myriad を “myriad ways” のように形容詞として使うこともありますが、Merriam-Websterj辞書の記事によると名詞用法 (“a myriad of ways”) が先だったようです。

a surge of

surge は「急な増加」という意味の単語で、通常は “a surge in …” で 「…の急な増加」という風に使われます (例: a surge in house prices)。ただ、a surge of … という形でも使われることがあり、この場合は「急に増加した/高まった…」という意味になり、 a lot of と比較的意味が近くなります。例えば、I feel a surge of excitement で 「興奮が高まるのを感じる」という意味です。

a mountain of/mountains of

文字通り「山のような」ですね。(e.g. Enjoy mountains of KFC! 山のようにあるケンタッキーフライドチキンをさあ召し上がれ!)

a/the sea of

山があれば海もある、ということで “a sea of” で「かなり多くの」という意味になります。a sea of people や the sea of facesのように人が沢山いる時によく使います。

an ocean of

sea (海)よりも大きな ocean (海洋) も同様に大きな数や量を表すのに使えます。個人的に、sea よりもocean の方がPacific Ocean (太平洋) のように広大な感じがします。2023年に映画「タイタニック」が25周年記念で映画館で上映された際に、”Revisiting ‘Titanic’ in theaters as an adult will open up an ocean of movie-going memories” (大人になってからタイタニックを映画館でもう一度見ると、映画に足を運んでいた当時の記憶を沢山呼び起こすだろう)と書いている記事を読んで、タイタニックのストーリーとも少しかかっていて良いなと思いました。

a world of

山と海とくれば「世界」、ということで a world of も a lot of の類語になります。 元々、多くの国が集まって一つの世界になるわけですからね。例えば、”There is a world of difference between A and B” で 「A とBの間には、とても大きな・多くの違いがある」です。

a goldmine of

goldmine は「金鉱、金山」という意味ですが、比喩的に「宝庫、ドル箱、豊富な供給源」という意味になります。そのため、 a goldmine of information/ideas で「豊富な情報源・アイデアの宝庫」という意味になります。当ブログのスパムコメントに “This post is a goldmine of information” というのがあって知りました笑

a (whole) raft of

raft は本来 「いかだ、漂流物」という意味ですが、a raft of ~ の形で使われると「大量の、沢山の」という意味になります。あえて元々の意味と結びつけるなら、海上に浮かぶ大きな塊をイメージすると分かりやすいかもしれません。

a slew of

「数多くの」という意味のadvanced でかつカジュアルな単語です(ケンブリッジ辞書の定義によると、アメリカ英語だそうです)。

a host of

「かなり多くの」という意味で、a lot of と同様に人や物に対して使えます。

a profusion of

上で紹介した “profuse”とほぼ同義です。

a wealth of

wealth は 「富、裕福さ」という意味の名詞ですが、”a wealth of ~ “で価値のあるもの、役立つものが豊富にあることを表します。 (例: a wealth of knowledge/information/experience)

a blitz of

blitzは元々軍事用語で「電撃的な軍事攻撃」という意味なのですが、転じて何かが沢山盛んに行われる様子を表すのに使います。例えば、a blitz of phone calls のように、慌ただしく何かが起きている感じを出すときに使います(日本語の「矢継ぎ早」のニュアンスに少し似ています)。

(an) infodump of

infodump (info-dump または info dumpも可) は二つの単語で成り立つ単語で、 “info” は “information(情報)” の略、”dump” は「大量のものをドサっと捨てる」という意味です(dump は ダンプカーのダンプです。ちなみにダンプカーは和製英語で、英語では “dump truck” と言います)。そのため、an infodump of …で「…に関する、必要以上に多くの情報、知識(をドサっと落とす)」という意味になり、特に物語 (本や英語) の背景や詳細を大量の情報を用いて説明する様を表現するのに使います。

(例)I was overwhelmed by the info-dump of background information in the beginning of the movie.

pots of

pot は「鍋」、「鉢」、「(ジャムとか入れる円筒形の)容器」という意味ですが、”pots of something”で「一杯の…」という意味になります。基本的に、”pots of cash” や “pots of money” のように「沢山のお金」を表す時に使います (イメージで言うと、例えばストリートミュージシャンの投げ銭入れの容器にお金が溢れるくらい入っていれば、まさに pots of cash です)。

a chorus of

chorus は 「合唱、コーラス、合唱団」という日本語でも使われている英単語で、そのため a chorus of ~ は直訳すると「~のコーラス、合唱」です。時折、これが比喩的に “a chorus of threats/complaints/acclaim” のように使われると、「(コーラスのように多くの人が表している)脅し/不満/称賛」という意味になります。また、a chorus of experts のように大勢の人を表すのにも使えます。

a panoply of

panoply は元々「鎧や兜などの武具一式」という意味の単語ですが、転じて「見事なまでのコレクション、一式」という意味になる、フォーマルな単語です(かつ、大学院卒の英語ネイティブの友人が知らなかったので、かなりの難単語です)。対象は人と物、どちらにも使えます (例 “a panoply of services”, ” a panoply of experts”)。様々な人が物が勢揃いしている文脈で使うのに適しているでしょう。なお、協調するために “a full panoply of” ということもあります。ちなみに、panoplyはギリシャ語由来の単語で、成り立ちは pan (“all”; 全て) + hopla (“arms”, 武器)です。

a surplus of

surplus は「余剰、超過」という名詞(または形容詞)なので、何がが必要上に余るほど存在している時に使います。例: a surplus of food

the majority of

「大部分、多数派の」という意味で使います。反対の「少数部分、少数派の」は the minority of ~ 。マジョリティとマイノリティですね。

the bulk of

the majority of と同様に、「大部分の」という意味で使います。

a crowd of

群れを表す時に使います。なお、”crowded” で満員電車のように人で混雑した様子を表すことができます (類語:packed)。

a plume of

plume は「大きな羽毛、羽」という意味(例: “the plume of a peacock”: 「クジャクの大きな羽」)ですが、a plume of smokeで「もくもく立ち昇る(大量の)煙」という意味になります。他にも大きくてフワフワした羽や煙を連想させるようなもの、例えば a plume of fire (燃え上がる炎)や a plume of dust (宙に舞うほこり)等のようにも使えます。

a throng of

混雑した人混みや人だかり、動物の群れを表します。throng は動詞で 「群がる」という意味になります。

a bevy of

a bunch of と同様に「似た者同士の大きな集団」を表す時に使います。bevy は元々、地上で見かける特定の鳥(うずら、ひばり)などの集団を表す単語で、そのため女性の集団を表すのによく使います(若い女性はbird や chickとスラングで呼ばれるため)(e.g.) a bevy of beautiful girls

a flock of

鳥の群れを表すのに使います。(e.g.) a flock of birds

a herd of

こちらは動物の群れを表すのに使います。(e.g.) a herd of sheep

a swarm of

蜂やハエなどの空を舞う昆虫の大群を表すのに使います。今世界中で蝗害 (locust plague)をもたらしているサバクトビバッタは “swarms of locusts” のようによく書かれています。swarmは動詞としても使われ、「ウジャウジャ群れる」という意味になります。

山のようなイメージ

a mountain of/mountains of

先ほども紹介しましたが、「(山のように)沢山ある…」という比喩です。

a pile of/piles of

「山ほど」という意味のカジュアルな表現です。pile は元々「(本などの)山」を表す単語なので、沢山の物が積み重なっているイメージを表現したい時に使います。e.g., “piles of books”

a stockpile of/stockpiles of

a stockpile of … で 「大量の… (特に、いざという時のために備蓄しているもの)」という意味になります(stockpile = stock 「備蓄、ストック」+ pile 「山」)。例えば、a stockpile of weapons で「有事に備えて保持している大量の武器」です。

a stack of/stacks of

stack は pile と同じく「積み重なった物、山」という意味なので、 stacks of books (山のように積み重なった本)のように言えます。

an accumulation of

accumulation も「蓄積、積み重ね」という意味なので、an accumulation of … で「積み重なった大量の…」という意味になります。(例: an accumation of data: 蓄積した大量のデータ)

a heap of/heaps of

heap は pileの類義語で、「(服など、どさっと置かれた)山」を表します。そのため、特にオーストラリアでは「めっちゃ沢山、山ほど」という意味で何に対してもカジュアルによく使われます。(e.g.) heaps of water/time

a truckload of

truckload は truck (トラック)+ load(積み荷)で出来た単語なので、トラックで運ぶくらい大きな量を表します。piles of とか loads of をよりイメージしやすくした表現ですね。他の表現と同様に、 例えば a truckload of debt 「山積みの借金」と比喩的に使うことも出来ます。

次々と生じるイメージの表現

one after another

「次から次へと」という意味の慣用句です。形容詞で使う場合は、”one 名詞 after another” (例: we faced one disaster after another次々と起こる災害に直面した」) のように使い、副詞の場合はone after another を一かたまりとして “We faced disasters one after another” のように使います.

a series of

何かが短い間に沢山起きた場合に使います。(例:a series of meetings=立て続きにある会議)。ちなみに、seriesはシリーズ(ドラマなどの続き物)という意味でよく使われます。

a cascade of

cascade は階段のように水が段差を流れている小さな滝のことで、a cascade of で比喩的に何かが連鎖している状態を表します。例:a cascade of events (一連のイベント)

a train of

電車のように何かが連なって存在したり、起きたり時に使う比喩的な表現です。 例: a train of cars (“長蛇の車”), a train of events (“一連のイベント”)。特に、 “a train of thought” (一連の思考) は辞書にそのまま登録されている慣用句で、似ている表現に “a line of reasoning”   (「論理・推論の一連の流れ」) があります。

a chain of

こちらもチェーン (chain)のように何かが連続して起きた時に使います。a chain reaction of とも。例:a chain of crashes/a chain reaction of crashes involving five cars. (車5台を次々とまき込んだ追突事故)

a string of

string は「紐」という意味で、”a string of” は上の “a chain of” と似たような感じで使われます。

a medley of

medley は 音楽の「メドレー」で、色々な物が一つになっている時に使います。オーストラリアのスーパーで売っていたビーフンの記述に、a medley of sweet carrots, cabbage and red capsicum (甘い人参、キャベツ、アカピーマン/パプリカから成る”メドレー”)と書いているので、この用法を知りました。

a parade of

parade は 日本語でも「パレード」として使われている単語なのでイメージしやすいかと思いますが、「(人や物が)次々と列になって現れる、連なっている」というような感じです (“a parade of cars”, “a parade of zombies”) 。ちなみに、”rain on someone’s parade” は文字通りには “〜のパレードに雨を降らす”ですが、転じて「〜が楽しんでいる所に水をさす、〜が嬉々として計画しているところに茶茶を入れる」という意味のイディオムになります(例: “I don’t want to rain on your parade, but it will take much more time than you think”) 。また、”Don’t Rain On My Parade”「パレードに雨を降らせないで」という有名なミュージカルの曲もあります。

a wave of

wave は「波」なので、「(波のように)押し寄せる、相次ぐ」という意味になります。例: a wave of innovation/customers (相次ぐ革新/押し寄せる客)

a flurry of

flurry は「にわか雨/雪」という意味 ですが、転じて「短い期間に立て続けに起きる…」という意味にもなります(ケンブリッジ辞書では、”a lot of sudden activity”や”a sudden, short period of activity”と書かれています)。そのため、突然で慌ただしい感のある表現です(関係ないかもですが、スペルも “hurry” と似ていますしね)。例:a flurry of changes(急な変化); a flurry of research (立て続けに行われた研究)

a burst of

突然何かが短期間で(爆発や破裂するように)沢山生じる時に使います。例えば、a burst of laughter 「(突如として)どっと起きる笑い」、a burst of innovation 「短期間に沢山生じるイノベーション」という風に使います。burst は動詞でもよく使う単語で、burst into tears/laughter ( または burst out crying/laughing) で「突然号泣する・大笑いする」という意味になります。

an outpouring of

「同情 (sympathy)」や「悲しみ (grief)」のように、感情が急激に(抑えきれずに)押し寄せてきた時に使われます (例: an outpouring of sympathy)。out (外に)+ pouring (注ぐ、流れ出す) なので、「感情が溢れ出る」という表現に比較的近いです。とある有名人の訃報のニュースで、outpourings of celebrity tributes (芸能人からの絶え間ない追悼の声)という表現を見て知りました。

a proliferation of

proliferationは proliferate 「増殖する、急増する」という動詞の名詞形で、そのため a proliferation of …で「急増している…、大量の…」 という意味になります(例: a proliferation of fake news: 「急増しているフェイクニュース」 )

ネガティブな事によく使われる表現

inordinate/excessive

量が尋常じゃないほど多い時は、an inordinate/excessive amount (or number) と表現できます。(例: “I receive an inordinate number of emails” 尋常じゃない数の(読みきれなくらいの)メールを受信している)。

umpteen(th)

countlessと同様に「数えきれないほど」を意味する、かなりカジュアルな表現です(ただ、やや古い表現です)。なお、umpteenth で sixth やtenth のような序数 (ordinal number)としても使えます。(e.g.) the umpteenth time : 「N回目、うん百万回目」。ネイティブの人が、母親によく言われたイメージと言っていました(ちょうど日本語の「何百回言わせるの!」と同じですね)

a horde of/hordes of

crowd と同様に人の群れを表すのに使います。ただ、こちらはcrowdと比べると「(無秩序に)ウジャウジャいる」のようなネガティブな意味合いが強いです。 (e.g.) hordes of first-year students throughout the campus (新入生がキャンパスの至る所に群がっている)

 a glut of

必要以上に(需要を上回るほど)何かが多く存在するときに使います。a glut of oil on the market で「市場でのガスの供給過多」で、The market is glutted with oil とも言います。a glut of lawyers「必要以上に多くの弁護士」のように、人にも使えます。

a flood of

flood は「洪水」という意味で、比喩的に「(処理できなくらい)溢れんばかりの、殺到する」という意味になります。そのため、ネガティブな意味で使われることが多いです(例:a flood of patients: “殺到している患者”)が、「ジャブジャブある」のようにポジティブな意味でも使えます (“a flood of money”)

an overflow of

overflow は動詞で「(液体が)溢れ出る」 (例:the river overflowed: 川が氾濫した) としてよく使われ、名詞としては an overflow of  で「溢れんばかりの」という意味になります。そのため、多すぎて限界を超えている時によく使います。”an overflow of traffic” (過多の交通量)

an influx of

influx は語源が “flow in ~ (~に流れる)”と言う意味のラテン語の単語なため、ダムから水が溢れ出てくるようように多くの人や物の流動・殺到があった時に使います 。例えば、we’ve seen an influx of bookings since last weekで「先週から予約が殺到している」。更に誇張するには、”a massive influx of students” のように形容詞をつける事もあります。ちなみに、上で語源だと述べた”flow in” も、 “people flowed into the gate” (大勢の人がゲートに向かった) のように使えます。

a tsunami of

「津波」が英語でも使われているのは有名ですが、転じて “a tsunami of ~” で「(津波のように)次から次へと押し寄せる」という意味になります。なお、元々「津波」は災害なので、ネガティブなことに使うことが多いようです。例: a tsunami of misinformation (次から次へと生じるデマ情報)

a barrage of

barrageは元々「集中砲火」や「一斉射撃」を表す軍隊用語ですが、比喩として a barrage of questions/complaiants/critisisims で「矢継ぎ早に浴びせられている質問/クレーム/批判」を表します。

an onslaught of

onslaught は元々「猛攻撃」という意味で、 on +  slaughter  (虐殺)という言葉で成り立っています。転じて、an onslaught of  で「膨大な、圧倒されるような量の」という意味になります。例えば、 an onslaught of deaths で「膨大な数の死者」

a spate of

短い期間に次から次へと生じている様子を表す表現で、基本的にネガティブな事に対して使います。例:a spate of disasters (絶え間なく生じている災害)

a saga of

長くて色々こじれた話や事の流れを表すときに使う、基本ネガティブな単語です (例: “a saga of problems”)。ただし元々は、中世アイスランドの英雄・伝記的な物語を収めた作品群を表す単語で、そのため「(特に長編で英雄的な)物語」という意味にもなります。

a litany of

元々はキリスト教の用語(リタニ、連祷)で、司祭と会衆とが交互に唱える連続した祈りを指す単語ですが、その長さからなのか、転じて何かがしつこいほど多い時に使われます。a linany of complaiants (聞き飽きるほど多くの不満).

a bellyful of

bellyful は “belly (お腹) + ful (フル、いっぱい)”なので、お腹一杯になる食べ物の量を表すときに使います。また、”have had a bellyful of ~” で比喩的に 「(不快、嫌なものを)ひつこいくらい経験する、〜はもうたくさんだ」という意味になります 。これは日本語でも「〜はもうお腹いっぱい」と似ている表現があり、面白いですね。ちなみに、bellyful の代わりに gutful という単語も使えます(僕はgutfulがオーストラリアのニュース記事で使われているのを最初に見て、この表現を知りました)。

否定を含む表現

not a few

「少なくない」、つまり「まあまあ」もしくは「多くの」です。not a few people were involved 「多くの人が関与していた」のように、not もふくめて一つの形容詞として扱います。

not a little

こちらは数えられない名詞に対して使います。(例:not a little affection)

no shortage of

shortage は「不足」という意味の名詞なので、no shortage of ~ で「〜が不足していない」, つまり「〜が沢山ある、〜で困る事はない」という意味になります。例:There is no shortage of cafes and restaurants in the city. (この都市はカフェとレストランで困る事はない)

no lack of

上のno shortage of と同じ理屈で、「欠けていない」-> 「沢山」です。

relentless

relent (和らぐ、弱まる) + less なので、「絶え間ない、執拗な、とどまることを知らない」という意味の形容詞です。relentless pressure 「絶え間ないプレッシャー」とか relentless effort「絶え間ない努力」のように、ネガティブにもポジティブにも使います。

特定の数に由来する表現

thousands/millions/billions of

直訳すると「数千/百万/十億の」ですが、数が多い時の誇張表現として使われます。

zillions of

million や billionと違って具体的な数字ではないですが、とにかく滅茶苦茶多い!って時にカジュアルな表現として使います。

bazillions of

こちらはzillionをさらに強調した単語で、アメリカ英語の表現だそうです。

scores/dozens of

score は20、dozen(=ダース)は12を表す単位ですが、「何ダースもの〜」のような感じで多いものを表す時に使います。

legion(s) of

legionは元々「3,ooo-6,000人からなる兵士の部隊」を表す単語だったようで、今でもそのような軍隊のイメージが残っています。しかし、legions of fans のように(まるで軍隊のように)人が沢山いることを表すのにも使えます。この場合、戦争に向かって行進している軍隊のような、統制の取れた群衆をイメージします。そのため、上で紹介した a horde of ~ と真逆のイメージです。

汚めの表現

以下の表現はかなり汚いので、使う相手と場面に注意すべき表現です。例えば、何かがウザすぎるくらい多い時などに使います。

a f*ckton of

f*ck + ton です。a metric fuckton of ということもあります。

a sh*tload of

sh*t (クソ)+ load です

a buttload of

butt は「お尻」を意味するアメリカ英語のスラング(ass よりは汚くない単語)で、それが load とくっついた表現です。そのため、この表現自体もアメリカ英語です。

慣用句(イディオム)

it takes a village (to raise a child)

これは英語の諺で、直訳すると「(一人の子供を育てるには)村全体(の人々)のサポートが必要だ」という意味になります。また、これをもじって “it takes a village of … (to do ~) “ の形で使われる事があり、その場合、「(~するには)…の多くのサポートが必要だ」という意味になります。 例えば “It takes a village of volunteers to make the event take place” は「そのイベントを実現するには、多くのボランティア(のサポート)が必要だ)」という意味になります。この時、”a village of” は “a lot of” や他の a 〇〇 of シリーズの表現とほぼ置き換え可能となりますが、village を使うことによりコミュニティーメンバーが(村のように)お互いに協力して何かを行う、といったニュアンスが感じられそうです。

a barrel of laughs

barrel は「樽」という意味ですが、a barrel of laughs で「たくさんの笑い」もしくは「たくさんの笑いを提供する人、物 (笑いの泉)」という意味になります。例:”We had a barrel of laughs”, “He is a barrel of laughs”.

a round of applause

applause は 「拍手、喝采、称賛」という意味で、 “a round of applause” で「たくさんの拍手」という意味になります。拍手を送る場合は give 、 もらう場合は receive という動詞をよく使います。

The sky is the limit

直訳は「空が限界だ」ですが、転じて「無制限の」 (“limitless”) という意味になります。日本語で言う「青天井」ですね。

the lion’s share

直訳は「ライオンの取り分」ですが、転じて「大部分、ほとんど」や「一番価値があるところ」という意味になります。ライオンは百獣の王と言われるくらいですからね。例えば、the lion’s share of the revenue は「収益の大部分」という意味です。

a king’s ransom

直訳は「王様の身代金」ですが、転じて「巨額のお金、大金」という意味になります(王様が何者かによって誘拐された時に要求されるであろう身代金に例えて)。例えば、cost a king’s ransom で「莫大な費用がかかる」という意味になり、後に出てくる “cost an arm and leg” と近い意味になります。

rain cats and dogs

何故かこれで “rain a lot” (たくさん雨が降る)という意味になる、比較的有名なイディオムです。

cost an arm and leg

直訳は「腕と脚が(費用として)かかる」ですが、実際は「とてつもなく高いコストがかかる」という意味です。

everything but the kitchen sink

直訳は「キッチンの流し台以外は全て」という意味で、意味は「想像し得るありとあらゆる物」という意味になります(キッチンの流し台は引っ越しの際に持ち運べないので)。例えば、 “You packed everything but the kitchen sink into your car”.  で 「ありとあらゆる物を車に詰め込んだ」という意味になります。また、語源と少しかけ離れる感じもしますが、”This company makes everything but the kitchen sink” のように、何かを持ち運びする時以外の文脈でも使えます。ただ、この場合は個人的に次の “everything under the sun” の方が、「全て」って感じがして好きです。

* なお余談になりますが、2022年にイーロンマスクが買収したTwitterの本社に彼が入ってきた際、(何処かからか取り外した)流し台を両手に持ってきたことが話題になりました。これは、”Let that sink in” 「(Twitter を買収したという)情報・現実を、皆さん徐々に受け止めてね」というイディオムを、文字通りに実際に行った (sink を 本社に in した)という彼なりのジョークです。

everything under the sun

直訳は「太陽の下にある物全て」で、こちらも意味は「ありとあらゆる物」という意味です。こちらの方がeverything but the kitchen sink  よりも分かりやすい比喩ですね。

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