コロナやパンデミックに関連する英語表現・慣用句

コロナ禍の真っ只中に私はオーストラリアのメルボルンに滞在してたので、日々コロナに関するニュースを見たり聞いたりする生活を送っていました(いま正常な心で当時の事を振り返ると、本当に辛くて孤独な日々でした)。この記事では、その時に頻繁に目や耳にした英語表現を紹介したいと思います。もう、これらの単語がトップニュースを飾る日が来ないといいのですが。

(2021年に書いた記事をベースに書きました)

目次

social distance

言わずとも知れた「ソーシャルディスタンス」です。メディアでは「社会的距離」と直訳されることが多いですが、キチンと内容を訳すのであれば、「対人距離」の方が分かりやすいでしょう。例えば、 “keep a social distance” で「対人距離を保つ」です。また、英語では “social distancing” (対人距離を取ること) のように動名詞のように使うことも多く、更には social distance を動詞として使うこともよくあります。

例文

You must follow the social distancing rules.
対人距離を取るためのルールに従わなければならない。

Social distancing is very effective in curbing transmissions.
対人距離を取ることは、伝染を抑えることに非常に効果的だ。

You have to social distance (= keep a social distance) and wear a mask.
対人距離をとり、マスクを着用しなければならない。

new normal

こちらも日本でもお馴染みの「ニューノーマル」ですね。通常、normalは「普通の」という意味の形容詞として使われるのですが、この表現では名詞として使われています。「コロナ禍における新しい生活様式」ということで、”the new normal” と the を手前につけることが多いです。ちなみに、normal の 名詞形には “normalcy” または “normality” という単語もあり、”a return to normal/normalcy/normality” で 「通常に戻る」です 。ちなみに、”return to normalcy”というフレーズは、スペイン風邪と第一次世界大戦で世の中が混沌とした時に米大統領ウォレン・ハーディング(Warren G. Harding)が演説で掲げたスローガンとしても有名です。詳細は wikipedia記事を参照)。

例文

We have to adapt to the new normal.
我々はニューノーマルな暮らしに適応する必要がある。

People are craving for a return to normal/normalcy/normality.
人々は通常に戻ることを心より待ち望んでいる。

quarantine

「隔離」または「自己隔離する」という意味の単語です。コロナ流行前はあまり耳にすることのなかった単語でしたが、コロナ禍ではニュースなどで毎日のように使われていました。self-isolation (自己隔離)という単語も同じ意味でよく使われます。

例文

You must quarantine (= self-isolate) in a hotel for 14 days.
ホテルで14日間自己隔離しなければならない。

They spent 14 days in quarantine/isolation.
彼らは14日自己隔離した

essential

「必須の」「必要不可欠な」という意味の形容詞で、名詞形はessence (本質、エッセンス) です。ロックダウン中、働くことを許可された人 (医療関係者や食料品売り場の従業員など)や 欠くことのできないサービスは essential workers/services, その反対(いわゆる「不要不急」なことや仕事に就く人)は non-essential workers/servicesと呼ばれていました。

例文

The country has banned non-essential travel due to the pandemic.
パンデミックの影響で、あの国は不要不急な移動を禁止した。

Only essential workers are allowed to go to work.
エッセンシャルワーカ (社会にとって必要不可欠な職に従事する人達) だけが出勤することを許されている。

unprecedented

「いまだ起きたことがない、前代未聞な、未曾有の」という意味の単語で、コロナ禍を表すのによく使います。単語の成り立ちは un (否定) + precedent (前例) + ed (持っている)です。このように”-ed” を末尾につけて名詞を形容詞化する例は他にもあり、例えば cold-blooded (冷たい血を持つような = 血も涙もない) や left-handed(左利きの)などがあります。なお、precedent の動詞形は “precede”(先立って起こる)です。

例文

2020 was an unprecedented year in many ways.
2020年はいろんな点で前代未聞の年であった。

resilience

「困難な状況から立ち直る力」という意味の単語で、形容詞形はresilient です (例: “a resilient person” で 「困難からすぐに立ち直れる人」)。コロナ禍から立ち直る「回復力」について言及する時によく使われています。少し日本語にしにくい単語ですね。また、resilience/resilient の 後に続く前置詞は “from” ではなく “to” なので、「困難から回復する力」というよりは「困難立ち向かって乗り越える力」の方がイメージとしては近いかもしれません。

例文

The Japanese government hopes that the Tokyo Olympics will symbolise resilience to COVID-19.
日本政府は東京オリンピックがコロナ禍を困難を乗り越えた象徴となることを望んでいる。

I’m amazed by their resilience in the face of so many challenges.
多くの課題に直面する中で、困難から立ち直る彼らの姿には驚かされる。

The economy in our country has proven to be more resilient than expected.
我々の国の経済は、予想されていたよりも力強い復活を遂げていることが明らかとなった。

hygiene

「衛生(状態)」という意味で、「ハイジーン」(ハイにアクセント)と読みます。ニュースなどで、「good hygiene を保つためにうがいしたり手を洗ったりする事が大切だ」とよく訴えられていました。

例文

Good hygiene is key to stopping the spread of viruses.
良い衛生状態は、ウイルスの拡散を抑制するための鍵となる。

in limbo

limboは「宙ぶらりんな状態」を意味します。Local small businesses are left in limbo 「地元の小さなビジネスは宙ぶらりんな状態で放置されている」のように、コロナ禍の影響を受けた人や会社がまともに支援を受けずにいる事を記述したり、ロックダウンで海外から戻って来れなくなった人たちを示すのにニュース等でよく使われていました。なお、この単語は他にも “legal limbo” 「法的なグレーゾーン」という意味でも使われます。

do the right thing

そのまんま「正しいことをする」という意味で特に難しくない表現なのですが、あまりにもよく耳にしたのでリストに入れました。コロナ禍の文脈では、マスクをつけ、対人距離を取り、いい衛生状態を保つこと等全てをひっくるめて “do the right thing”と言い、よく国や州のリーダーが演説などでよく訴えていました。

例文

Thankfully,  the majority of people are doing the right thing.
ありがたいことに、大半の人がやるべきことをしている。

a silver bullet

直訳すると「銀の銃弾」ですが、実際は「全てを解決する方法、万能薬、特効薬」という意味で使われます。「銀の銃弾」というのは「なんでも仕留める最強の武器」の比喩で、007を知っている人なら「黄金銃(一撃必殺の拳銃)」のイメージすると分かりやすいでしょう。下の例文のように、「ワクチンはコロナ禍を解決する特効薬ではない」ということを政府関係者や医療従事者が人々に訴える時に使われた表現です。

例文

A vaccine is not a silver bullet to beat the coronavirus.
ワクチンはコロナウイルスを克服する「万能薬」ではない。(ワクチンで全てが解決する訳ではない)

on the verge/brink of ~

on the verge of  または on the brink of で「〜目前だ」という意味になります。コロナの文脈では、「(医療、経済などが)崩壊目前だ」という意味で、 “on the verge/brink of collapse”という表現がよく使われています。

例文

Many hospitals are on the verge/brink of collapse.
多くの病院は、(医療)崩壊目前だ。

in the same boat

直訳すると「同じボートにいる」ですが、比喩的に「同じ困難な状況にいる」という意味です。多くの人が乗船している小さなボートが広大な海の上にポツンと浮かぶ絵をイメージしたら分かりやすいでしょう。”We’re all in the same boat.”のように、all をつけて「誰しもが同じ状況にいる」ことを強調することが多いです。より直接的なものだと “We’re all in this together.”というフレーズがあり、こちらもコロナ禍を表すのによく使われる表現です。

例文

We are all in this together/all in the same boat, so let’s be considerate of others.
我々は今誰しもが同じ困難に直面しているのだから、他人に対して思いやりを持とう。

light at the end of the tunnel

直訳すると「トンネルの最後に見える光」という意味で、「困難な状況下での希望の光」という意味になります。真っ暗なトンネルの闇の中から前方に見える光をイメージすると分かりやすいでしょう。

例文

The vaccine is the light at the end of the tunnel.
そのワクチンは、今の終わりが見えない困難な状況に差した希望の光だ

a silver lining

直訳すると「銀色の縁取り/裏地」という意味ですが、実際はこちらも「希望の光」「悪い状況下にもある良い側面」という意味で使われます。これは「雲(困難の象徴)の周辺から漏れる太陽光(希望)」が単語のイメージになっています(下記画像参照)。ただ、解釈の仕方が2つあります。

一つは、光を「(スーツなどの)裏地」と捉える見方 (“lining” という名詞は一般的にそういう意味で使われます) で、この場合、「地上から見える雲の反対側に銀の裏地(希望の光)がある」という考えです。もう一つは、光を「(雲を囲む)枠、縁取り、コーティング」と捉える見方で、この場合はおにぎりをラップで包むように「銀色の光が雲の周囲をコーティングしている」という考えです(そもそも、lining が「裏地」という意味になるのは、lineに「覆う、カバーする」という意味があるからで、裏地が「服の生地を上から覆うもの」だからです)。要は、雲を3次元で捉えるか2次元で捉えるかの違いなのですが、英語圏では後者の方がより一般的な解釈のような気がします。まぁ正直、意味さえ分かればここまであまり難しく考えなくてもいいと思いますが笑、以下の他サイトでもこの辺りの事が議論されているので、気になれば参照してみてください。

例文

“Every cloud has a silver lining.”
どんな雲でも銀色の光が周囲から差している (=「どんな悪い状況にも希望はある」という意味の決まった表現)

It’s hard to find a silver lining during the coronavirus pandemic.
コロナウイルスが世界的に大流行する中で、希望の光を見出すことは難しい。

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