日本語と英語で似ている、または日英共通の諺10

この記事では、日本語と英語で似ているか共通していて意外とうまく訳せる日本語の諺を紹介します。

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一石二鳥

kill two birds with one stone

直訳は「一つの石で二羽の鳥を仕留める」です。日本語では基本的に「一つの行動で二つの利益をもたらす 」のような意味で使われますが(例:犬を飼ったら癒されるし防犯になるし一石二鳥だ)、英語では「2つのことを(何かのついでに)一回でこなす」という意味でも使われます (例:犬の散歩をするついでにゴミ出しをする)。

二兎を追う者は一兎をも得ず

If you run after two hares, you will catch neither

意味は日本語と同じく「もし二匹の野ウサギを追えば、どちらも捕獲出来ないだろう」です。日本人にとってウサギといえば “rabbit” ですが、ここで使われている “hare” は “野ウサギ”のことです(それぞれ異なる動物で、hare の方が一般的に耳と足が長い)。この諺はラテン語にも存在する、歴史のある表現です。

取らぬ狸の皮算用

Don’t count your chickens before they hatch

解説:直訳すると、「(卵から)孵化する前にヒヨコの数を数えるな」で、成功する前にその後の事を計画するな、という意味です。わかりやすい比喩ですね。

虎穴に入らずんば虎子を得ず

Nothing ventured, nothing gained

「冒険やリスクを伴う行動を取らなければ、何も得られない」という意味です。venture は 「リスクのある行動をする」という意味の動詞(または名詞)で、「ベンチャー企業」のベンチャーです。が、実はこれ和製英語で、英語では新興企業のことを普通 “a startup” (スタートアップ企業)と言います。一方、 venture capital (ベンチャーキャピタル, VC) という単語は英語にも存在し、意味は「スタートアップ企業への投資」です。

虎口を逃れて竜穴に入る

out of the frying pan into the fire

意味は「フライパンから火に飛び込む」で、「困難を逃れたと思ったら、さらに悪い状況に飛び込んでしまった」という場面で使う表現です。熱々のフライパンの上で自分が焼かれている状況を思い浮かべたときに、「熱い!」と言ってフライパンから飛び降りたら、むしろ火の中(さらに悪い環境)に飛び込んでしまった、という比喩です。日本語の「虎口を逃れて竜穴に入る」と比べると、英語の方が「前よりもさらに悪い状況に飛び込む」という意味が強調されているかもしれません(虎と竜のどっちがより恐ろしいのかはそこまで明確ではなので、国語辞典では「一難去ってまた一難」のような意味だとよく解釈されています)。

蛙の子は蛙

The apple doesn’t fall far from the tree

直訳は「(木に生っている)リンゴはその木から遠く離れた場所で落ちることはない」で、「子供は親に似ることが多い」という意味です。ただ、「蛙の子は蛙」がややネガティブなニュアンスを含む(平凡な親からは平凡な子供しか生まれない)のに対し、英語の諺はネガティブなことにもポジティブなことにも使えます。

類は友を呼ぶ

Birds of a feather flock together

直訳は「同じ羽の鳥は同じところに集う」で、「人は似た者同士でよく集まる」という意味です。まさに「類は友を呼ぶ」ですね。また、birds of a feather だけで「似た者」という意味としても使われます(例: They are birds of a feather)

ちなみに、feather は「羽」という意味なので「同じ羽」というには本来  “of the same feather” とするべきなのですが、これは “of a feather” を「同類の」という意味の1つの慣用句だと捉えるのが一番分かりやすいと思います。実際、 〇〇 of a feather で「同じタイプ、同類の〇〇」という意味で使うこともあります (例: “Losers of a feather flock together”: 負け犬は負け犬同士でつるむ )。

火の無い所に煙は立たぬ

there’s no smoke without fire

意味は「火がなければ煙は存在しない」で、まんま日本語と同じ表現ですね。where there’s smoke, there’s fireとも言います。またこれと少し関連して、英語には”smoking gun” (煙が出ている銃)という表現があり、意味は「動かぬ証拠、決定的な証拠」という意味になります(銃弾が煙が出ている銃から放たれたのは明らかであるため)。より分かりやすく、”smoking gun evidence” ということもあります。

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豚に真珠・猫に小判

(Cast) Pearls Before Swine

直訳は「豚の前に真珠(を投げる)」です。聖書に由来する表現なので、おそらく数多くの言語で用いられている表現です。ちなみに、「猫に小判」は英語には存在しない日本語独自の表現です。

目には目を歯には歯を

an eye for an eye (and a tooth for a tooth)

こちらも「豚に真珠」と同様に聖書で使われているので、全世界共通の表現です。

隣の芝生は青い

The grass is (always) greener (on the other side)

実際は”The grass is (always) greener” と短く表現することが多いです。

時は金なり

Time is money

これは学校でも習うくらい有名な表現ですね。

覆水盆に返らず

It is no use crying over spilt milk; don’t cry over split milk

「こぼれたミルクについて嘆いても仕方がない」、つまり「もう起きてしまったことについて嘆いても仕方がない」、「後悔先に立たず」です。こちらも受験によく出てきますね。

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