英語と日本語で似ている表現、慣用句25

この記事では、日本語独自の表現かと思ったら意外と英語にも似ている(もしくは同じ)表現があるものを紹介します。

目次

棚からぼた餅

英訳: windfall/fluke

解説:windfall は「思いがけないラッキーな収入」という意味で、お金以外の幸運にも使える「棚からぼた餅」と比べると少し意味が限定されています。ただ、windfallは元々「風によって木から落ちてきたフルーツ」を指す言葉で、「棚からぼた餅」のイメージと非常に似ているので紹介しました。他に思いがけない幸運を意味する単語にflukeという英単語がありますが、これは “It was just a fluke”で「(この成功、勝利などは)単なる想定外の幸運だった (棚ぼただった) に過ぎない」のようによく使います。

飴と鞭

英訳:carrot and stick

解説:直訳すると「人参と棒」ですが、 a carrot-and-stick approach で「良いことにはご褒美、悪いことには罰を与える方法」という「飴と鞭」の意味になります。これは、人参で馬の目の前にぶら下げ、棒で馬のお尻を叩くという事に由来しており、そのため 飴=人参、鞭=棒となります。

希望が打ち砕かれる

英訳:hopes are dashed

解説:dashは「ダッシュする」という意味の他に、「強い力で(壊れるほど)叩く」という意味があります。そのため、直訳すると文字通り「希望が打ち砕かれる」となり、望みが断たれてしまった時に使えます。

火に油を注ぐ

英訳1:add fuel to the fire

英訳2:fan the flames

解説:一つ目の英訳は「火に燃料を加える」で、「火に油を注ぐ」とイメージがほとんど同じになります。また、二つ目の訳は「炎を煽る、風を起こして炎の勢いを強める」で、燃料ではなく風で火を強くするイメージですね。どちらも「悪い状況をさらに悪化させる」と言う意味になります。

水と油

英訳:oil and water

解説:「油と水」と順番が逆になりますが、英語でも「(二人の性格などが)合わない」という意味の比喩になります。A and B are like oil and water(A と Bは水と油のようだ)のように使えます。余談ですが、「白黒テレビ」は英語だと「黒白テレビ (black and white TV)」になります。

青天の霹靂

英訳: a bolt out of/from the blue

bolt は通常、工具のボルトの意味ですが、ここでは サンダーボルト (thunderbolt, a bolt of lightning) のボルトです。なので、このフレーズの直訳は「青(空)からの稲妻」で、意味は「予想だにしていなかった急な出来事」となります。僕は最初、空から急に工具のボルトが降ってくるくらい予想外のこと、という風に勘違いして覚えていました。笑

絵に描いた餅

英訳: pie in the sky

直訳すると、「空にあるパイ」ですが、意味は「(計画や考えなどが)空想的で非現実的な事」です。日本語も英語も、手が届かない食べ物で例えているのが面白いですね。

穴があったら入りたい

英訳: I wish the ground would swallow me up

直訳すると、「地面が私のことを飲み込んでくれたらいいのに」で、これは何か超恥ずかしい事があった時に「その場から一瞬で消え去りたい!」という思いを表す比喩です。

墓穴を掘る

英訳: “dig one’s own grave”; “dig oneself into a hole”

“dig one’s own grave” の直訳は「自分の墓 (grave) を掘る」で、意味は「自分で自分の状況を悪くするようなことをする、自滅する」です。二つ目の “dig oneself into a hole” は「穴の掘って自ら入っていく」という意味で、「自分で自分を困難な状況に陥れる、自分で自分の首を絞める」という比喩です。どちらも「墓穴を掘る」と似ていますね。

自分で自分の首を絞める

英訳: cut one’s own throat

直訳は「自分の喉を切る」で、日本語の「自分で自分の首を絞める」とほぼ同じ意味です。先ほどの「墓穴を掘る」とも意味が近いですね。

金をドブに捨てる

英訳: throw (or pour) money down the drain

直訳は「お金を排水口に捨てる」で「お金を無駄にする」という意味になるので、日本語とほぼ同じ表現ですね。

氷山の一角

英訳: the tip of the iceberg

直訳すると、氷山の先端。The reported scams are just the tip of the iceberg. (報告された詐欺は氷山の一角に過ぎない) のように、”just” を伴うことが多いです。基本的に氷山の大部分は水面下に隠れているため、船から氷山の一角だけを見て油断して航行していると非常に危険である、ということが由来です(そのため「(隠れている)大きな問題の一部だ」のような意味で使われます)。

洗脳する

英語: brainwash

元々は中国語の”洗腦” が語源で、brain (脳) + wash (洗う)と英語に直訳されました。1950年ごろから使われ出した、比較的新しい言葉のようです。(参考:’Brainwashing’: A History

必要悪

英訳: necessary evil

そのまんま「必要な悪」です。税金のように「嫌だけど必要不可欠な物・事」を表すのに使います。

チキる

英訳:chicken out (動詞)

解説:これはどちらかというと英語から輸入した表現ですが、そのまま翻訳できるので載せておきました。Don’t chicken out! で「チキるなよ!」です。

(ネットで)ROM専/見るの専門

英訳:lurker

解説:やや死語気味な感じもしますが、「ROM専」とはネットで人の投稿だけを見るだけで自分では投稿しない人のことを意味し、英語ではそのような人を lurker と言います。lurk(身を潜める)という動詞のから派生した単語で、動詞は基本的には悪いニュアンス(息を潜めて影から襲撃する等)でよく使います。

(精神的に) 痛い

英訳:painful

解説:日本語と同じく、精神的に痛い場合でも painfulが使えます。例えば、painful memories で「痛々しい記憶/黒歴史」という意味になります。これ、個人的には結構意外でした。

希望の光

英語:silver lining

意味:直訳すると「銀色の裏地」という意味ですが、これは雲の周囲を囲む (漏れている) 太陽光を意味します(下記画像参照)

比喩的に、「困難な状況における希望やポジティブな側面」という意味になります。雲が覆いかぶさっているような困難な状況でも、常に光は何処かから漏れている、という事ですね。“every cloud has a silver lining” (どんな雲でも銀色の光が周囲から差している=どんな悪い状況でも希望はある)という諺としてよく使われますが、” have a sliver linig” (希望の光はある) のようにも使われます。

〜に首を突っ込む

英訳:poke one’s nose in/into ~

解説:直訳すると「〜に鼻を突っ込む」という意味で、日本語で言う「首を突っ込む」という意味になります。poke(突っつく)の代わりにstick (突き刺す、差し込む)も使えます。なお、この nose(鼻)に関連した語に “nosy” (他人のことに必要以上に興味を示す)という形容詞があります。例えば、“nosy neibughours” で「お節介な隣人」と表現できます。他人の問題を “嗅ぎつけて” 干渉してくるイメージですね。似た意味の動詞には、 meddle in (余計な干渉をしてくる)や interfere (干渉する)という表現があります。

Stop poking your nose into our business.
(訳)私たちの事に首を突っ込むのはやめてよね。

* ここでのbusinessは「ビジネス」ではなくて、「個人的な事柄」と言う意味です。Mind your own business とか It’s none of your business で「自分のことだけに集中しろ/余計なお世話だ」という意味になります。

焼け石に水

英訳:a drop in the ocean

解説:直訳すると 「海への一滴」という意味で、(全体と比べると)量が僅かでほとんど意味がないことを表します。以下の文は、マザーテレサの有名なセリフです。

We ourselves feel that what we are doing is just a drop in the ocean. But the ocean would be less because of that missing drop.

(訳)我々が行っていることが単なる「大海への一滴」である(ほとんど影響がない)ことは我々自身感じています。しかし、この一滴もなければ、その分だけ海の水量は減ってしまうのです。

一発屋

英訳:one-hit wonder

解説:one-hit (1ヒット)+ wonder (素晴らしい人、もの)です。日本語では芸人のイメージが強いですが、英語ではアーティストやアスリートに対してよく使われれます。

爆買い

英訳:bulk-buy

解説:”bulk” が超巨大なものを指すので ( “the bulk of  household chores” = 「山のようにある家事」)、文字通り「大量買い」もしくは「爆買い」です。

イッキ見する

英訳 binge-watch

解説:ネットフリックスなどの配信サービスが流行って以降、日常会話で非常によく使われる単語です。”I like to binge-watch Netflix shows on weekends” などと言えば、相手の共感を得られるかもしれません。

泥沼化させる

英語:muddy the waters

意味:文字通りは「水を泥で濁らせる」という意味で、「状況を今よりも(不必要に)悪化させる、ややこしくする」というときに使います。waters と複数形なのに注意。

奥の手

英訳:have a card up one’s sleeve

解説:「袖(の裏)の上側にカードを保持している」という意味で、まだ表に出していない効果的な計画、考えがある時に使えます。ただ、日本語の「奥の手」は差し迫った時しか使えない禁じ手のようなニュアンスもあるので、訳としては「まだ明らかにしていない考え、とっておきの策」の方が近いかもしれません。

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