「少ない」の英語: Few, Littleの類義語、言い換え20

以前、manyやa lot ofの類語を山ほど紹介する記事を書いたところ意外とアクセスが多くあったので、今回はその反対の “few” や “little” の類義語を(many 程はないですが)思いつくだけ紹介したいと思います(新しい表現を見つけ次第、追加します)。

目次

a few

「少し」を意味する代表的な英単語です。”a few” が「少しの」という意味なのに対して、冠詞がないただの “few”は「ほとんど〜ない」と否定の意味が強くなります(受験で習った人も多いでしょう)。very few といえば、さらに強調することもできます。例えば、”I have a few friends” = 「少し友達がいる」、”I have few friends” =「友達がほとんどいない」、”I have very few friends” = 「友達がほとんど/全然いない」です。

具体的にfew は数で表すといくつなのか、というのは結構議論を呼ぶ疑問ですが、まあ大体2から10の間だと思えば問題ないと思います(ただこれは修飾する名詞にも依存し、例えば a few days は 2, 3日のイメージ)。なお、quite a few /not a few で「多くの」という意味になるのも有名です。

a little

先ほどのfewは数えられる名詞に対して使われるのですが、littleは数えられない名詞 (time や information)に対して使われます。fewと同様に、a little が 「少しの」、 (very) little が「ほとんどない、ごく僅かの」という意味になります。

また、Little は文頭で使われて倒置文を作ることもたまにあり、この場合はknow や realise という動詞がよく使われます。(例: “Little did I know that my two-week trip would turn into a one-year stay” 「二週間の旅行の予定がまさか1年間滞在することになるなんて、(当時は)思いもしなかった」)。ここで倒置が起きるのは否定の単語が文頭に置かれているからで、例えば他にも “not only ~ but also …”構文でも倒置が起きることがあります (“Not only did I forget to shave my beard, but I also forgot my wallet” 「ヒゲを剃るのを忘れただけでなく、財布も忘れた」)。

a bit

few と比べてカジュアルな表現で、会話でかなり頻繁に使います。a bit of で名詞を修飾することも出来ますし (“a bit of a disappointment”: 「少しの失望」, “a bit of advice” 「少しのアドバイス」 )、副詞として形容詞や動詞を修飾することも出来 (“I’m a bit tired” = 「少し疲れた」)、更には名詞てしても使える(”Do you want a bit?”「少し欲しい?」)、とても便利な単語です。また、few と同様に、”quite a bit” で「多くの」という意味になります。

a tad

“a bit”の代わりに使える、カジュアルな表現です (ただ、個人的にはbit の方がよく断然多く耳にします)。例: I was a bit embarrassed ≒ I was a tad embarrassed 「ちょっと恥ずかしかった」。bit と tad を両方組み合わせることもあるようです。(例:I was a tad bit tired 「ちょっと疲れた」)

a small number/amount of ~

文字通り「少数・少量の」という意味です。number は数えられる名詞、amountは数えられない名詞に使います。(例: a small number of students; a small amount of time)

a couple of

基本的には「2つの」という意味ですが(couple = カップル なので)、実際は幅があることが多いです (大体、2〜4くらいのイメージ)。そのため、”I’ll contact you in a couple of days” と言われたのに、二日後に連絡が来ないことは十分にあり得ます。

a piece of

「一つの、一切れ」という意味 (例:a piece of cloth = “布切れ” ) ですが、数えられない名詞の数を表したい時とかにも使います (“a piece of paper” = 「一枚の紙」、 two pieces of evidence = 「二つの証拠」)。また、“a piece of cake” は直訳すると「一切れのケーキ」という意味ですが、実際は「超簡単だ、朝飯前だ」という意味の有名なイディオムです。他にも、“a piece of sh*t”  = 「くそのかけら」、転じて「全く役に立たない物」という汚いスラングがあります。peace (平和)と発音が全く同じで綴りも似ているので、要注意。

a spoon of

「1さじの」という意味です(レシピとかでよく使われます)。例えば、カフェとかでアメリカンコーヒーに少しだけミルクを入れて欲しい時は 、僕は “long black with a spoon of milk” と言うことが多いです (ちなみに、エスプレッソにミルクをほんの僅かだけ入れて欲しい時は、単に”macchiato” (マキアート)と言えば大丈夫です。macchiatoはイタリア語で「染み」という意味で、エスプレッソをミルクで少し染みらせるイメージです)。

a hint of

hintは「ヒントを出す」の hint ですが、a hint of ~で「少量の~」という意味になります(最近、あるスイーツの広告で “a hint of maple cinnamon”「少しのメープルのシナモン」と書かれているのを見て知りました)。一見、この意味は「ヒント」と全く関係ないように思えますが、ヒントを「(答えがわからない程度の)少量の情報」と考えたら納得がいくかもしれません。

a slice of

「1スライスの」という意味です。等分されたピザとかを数えるときによく使います。(a slice/two slices of pizza)

a pinch of

「ひと摘みの」という意味です (“a pinch of salt” = 「ひと摘みの塩」)。 これに関連して、”take ~ with a pinch of salt” という有名なイディオムがあり、直訳すると「~をひとつまみの塩と一緒に食べる」という意味ですが、実際は「~を話半分で聞く、眉に唾をつけて聞く」という意味になります。take ~ with a grain of salt とも言います。

a paucity of

paucity は「不十分な量や数」を意味するフォーマルな単語で、主にニュース記事や論文などで使われます (a paucity of data/information = 情報/データの不足)。ちょっとカッコいい英文を書きたいときに使うのがおすすめです。”Because of the data paucity, …” 「データ量不足が原因で, …」のようにも使えます。

a dearth of

paucity と同様にフォーマルな表現で、何かが不足・欠乏しているときに使います(a dearth of information/understanding)。

a lick of

lick は普通「舐める」という動詞で使われますが、a lick of … で「(舐める時のように)少量の」という意味にもなります。否定で使われると、「少しも…ない」という, not at all のような意味になります(例えば、without knowing a lick of English で 「全く英語を知らず・分からずに」という意味になります)

a handful of

“hand” (手) が ful(一杯) で「一握りの、一つかみの」という意味です。例えば、”a handful of coins” で「一つかみのコイン」

a tinge of

少しの感情、もしくは色を表すときによく使います。”a tinge of sadness/anger/guilt” 「少しの悲しみ/怒り/罪悪感」、 “a tinge of red” 「少しの赤色」

a length of

紐など、細長いものの一部を表すときに使います (“a length of rope/timber 「ロープ・木材の一部」)

a drop/drip of

液体の一滴を表すのに使います(例:a drop/drip of water: 一滴の水)

a trickle of

trickle は動詞の用法だと「(液体が)チョロチョロと流れる、したたる」という意味になります(例:Warm blood trickled down her leg「生暖かい血が彼女の足へ滴り落ちた」)。そのため、a trickle of ~で「〜のしたたり」という意味になります (“a trickle of blood/tears” 「(チョロチョロと)滴る血/涙」)。

an ounce of

ounce (オンス)はアメリカで使われている単位で「約28グラム」を意味しますが、少量のものを表すのにも使われます (例: “I doubt anyone feels an ounce of sympathy for her” = 「彼女に少しでも同情する人がいるとは思えない」)。また、”An ounce of prevention is worth a pound of cure” 「少量の予防は大量の治療に値する」という英語の格言も存在します(pound = 16 ounces ≒ 453グラムで、ここでは ounceとの対比で「大量の」という意味の比喩で使われています。他の文では、普通 poundは「多い」という意味では使われません。)

a touch of

ご存知の通り、touch は普通「触る」という動詞ですが、a touch of ~で少しの量を表すのにも使えます。基本的に、数えられない概念に対して使うことが多いです(例: a touch of irony/humour/convenience/flavour = 「少しの皮肉/ユーモア/利便性/風味、雰囲気」)

tidbit (US) /titbit (UK)

「ちょっとした面白い情報、噂話、ニュース」を表すのに使います。”I’ll share some titbits of gossip about them” =「彼らについてのちょっとしたおいしい噂話をシェアするよ」。また、少量の美味な料理を表すのにも使えます  “tidbit of caviar (ちょこっとのキャビア)” 。

a ray of (hope)

ray は「光線、一筋の光」という意味ですが、a ray of hope で「わずかな希望/光」という意味になります。また、これと似た表現に “sliver lining” 「希望の光」という表現もあります(過去記事  「一発屋」「飴と鞭」: 意外と英語に訳せる日本語の表現10+ を参照)。日本語でも英語でも、希望を(暗闇の中に見える)光に喩えていて面白いですね。

a glimmer of (hope)

glimmerは動詞だと「かすかに、キラッと光る」という意味で、名詞では比喩的に「(一瞬の、かすかに見えるポジティブな)サイン、前兆」を表します(上記の”a ray of” と似てますね)。基本的には “a glimmer of hope” で「かすかに見える希望の光」というフレーズで使いますが、他にも “a glimmer of joy” 「一瞬の喜び」のように使えます。

several

fewと同様に正確な数は決まっていませんが、few よりも少し多くてmanyよりは少ないイメージです。例: “I have seen the film several times” =「その映画を数回見たことがある」

some

日本語で「いくつかの、多少の」と訳されることが多いですが、この訳は半分正しくて半分不正確です。確かに、few と同様に少ない量を表すのにも使いますが (例: “I know some of them” =「彼らの何人かは知っている」)、基本的には「よくわからない数」を表すのにsomeは使われます  (ケンブリッジ辞書では someを “an amount or number of something that is not stated or not known” と定義しています)。例えば、Some people believe that … は「…を信じる人もいる」という意味で、「実際どれくらいの人がそれを信じているか分からないけど、信じる人は少なからずいる」というニュアンスです。

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