「開き直る」の2つの意味と英訳

もし急に「開き直るを英語で訳せ」と言われたら、どのような英単語が頭に思い浮かぶでしょうか。実は、「開き直る」って意外と英語に訳しにくい単語なのです。そこで、この記事では「開き直る」の意味について改めて日本語で考え、それを英訳することを試みます。

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「開き直る」の2つの意味と、対応する英単語

実は、「開き直る」には大きく分けると2つの用法があります。一つは「あぁ、どうせ俺がわりーよ」のような「相手の批判をぶっきらぼうに認めた上で、ふてぶてしい態度に出る」というネガティブな意味です。この場合の「開き直る」に近い単語としては、「逆ギレ」とか「居直る」等がありますね。このような態度を英単語(形容詞)で記述する場合、defiant (反抗的な), unrepentant (後悔していない),  shameless (恥知らずな) という単語が使えるでしょう。また、”double down“(リスクが大きいことを頑なに続ける)という表現も意味が近いです(元々は、ギャンブルで2倍(double)賭けする、という意味です)。英語話者に開き直るの意味を詳しく説明したいのであれば、

‘You will be criticised for doing 開き直る if you admit your mistakes while defiantly showing an unrepentant attitude, saying ‘Yeah that’s my fault, but so what?’.

のように言うと、わかりやすく伝わるのではないでしょうか。

一方、プロ野球のピッチャーが「今日は変化球の調子があまり良くなかったので、開き直って直球主体で攻めて投げました」と試合後にコメントするのは、「悪い状況であることを受け入れ、気持ちを切り替える」というポジティブな意味になります。この場合は「覚悟を決める」や「(仕方がないと)諦める」という表現が近いでしょう。「覚悟を決める」や「困難に屈しない」という英語表現には、形容詞だと‘unflinching (ひるまない)’ や ‘fearless (恐れない)’ 、動詞では ‘stay positive (前向きでいる)’ , ‘bear up (くじけない)’  等があります。一方、「(仕方がないと)諦める」という姿勢を英語に訳す場合は、アメリカ英語だと “suck it up“(不満を垂れずに困難を受け入れる) というカジュアルな表現が存在します。また、’accept that you have no control over a bad situation’ や ‘ to stop worrying about something.’とフレーズで表現してもいいでしょう。

ところで、「別に嫌われてもいいやと開き直るという場合の「開き直る」は、ボジティブとネガティブのどちらの意味になるでしょうか。見方によっては、「どうせ俺は嫌われ者だし」と居直る姿勢とも捉えられますし、「多少嫌われるのは仕方ないから、あまり気にしないようにしよう」という前向きな姿勢にも捉えられます。このように、日頃何気なく使っている「開き直る」ですが、意外と意味が複雑で中々奥が深いと思ったので、今回テーマとして取り上げました。今後英訳する際の参考になれば幸いです。

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