この記事では、日本語独自の表現かと思ったら意外と英語に良い訳が存在する日本語の表現を紹介します。
取らぬ狸の皮算用
英訳:Don’t count your chickens before they hatch
解説:直訳すると、「(卵から)孵化する前にヒヨコの数を数えるな」で、成功する前にその後の事を計画するな、という意味です。わかりやすい比喩ですね。
棚からぼた餅
英訳: windfall/fluke
解説:windfall は「思いがけないラッキーな収入」という意味で、お金以外の幸運にも使える「棚からぼた餅」と比べると少し意味が限定されています。ただ、windfallは元々「風によって木から落ちてきたフルーツ」を指す言葉で、「棚からぼた餅」のイメージと非常に似ているので紹介しました。他に思いがけない幸運を意味する単語にflukeという英単語がありますが、これは “It was just a fluke”で「(この成功、勝利などは)単なる想定外の幸運だった (棚ぼただった) に過ぎない」のようによく使います。
飴と鞭
英訳:carrot and stick
解説:直訳すると「人参と棒」ですが、 a carrot-and-stick approach で「良いことにはご褒美、悪いことには罰を与える方法」という「飴と鞭」の意味になります。これは、人参で馬の目の前にぶら下げ、棒で馬のお尻を叩くという事に由来しており、そのため 飴=人参、鞭=棒となります。
希望が打ち砕かれる
英訳:hopes are dashed
解説:dashは「ダッシュする」という意味の他に、「強い力で(壊れるほど)叩く」という意味があります。そのため、直訳すると文字通り「希望が打ち砕かれる」となり、望みが断たれてしまった時に使えます。
火に油を注ぐ
英訳1:add fuel to the fire
英訳2:fan the flames
解説:一つ目の英訳は「火に燃料を加える」で、「火に油を注ぐ」とイメージがほとんど同じになります。また、二つ目の訳は「炎を煽る、風を起こして炎の勢いを強める」で、燃料ではなく風で火を強くするイメージですね。どちらも「悪い状況をさらに悪化させる」と言う意味になります。
チキる
英訳:chicken out (動詞)
解説:これはどちらかというと英語から輸入した表現ですが、そのまま翻訳できるので載せておきました。Don’t chicken out! で「チキるなよ!」です。
(ネットで)ROM専/見るの専門
英訳:lurker
解説:ネットでの投稿を見るだけで参加しな人を指します。これは、lurk(身を潜める)という動詞の名詞形で、こちらは悪いニュアンス(息を潜めて影から襲撃する等)でよく使います。似ている単語にloom(危険などが潜んでいる)という動詞があり、”the looming economic recession” (ぼんやりと差し迫っている経済的不況) のように使います。
(精神的に) 痛い
英訳:painful
解説:日本語と同じく、精神的に痛い場合でも painfulが使えます。例えば、painful memories で「痛々しい記憶/黒歴史」という意味になります。これ、個人的には結構意外でした。
泥沼化
英語:muddy the waters
意味:文字通り、水を泥で濁らせるという意味で、「状況をより悪化させる、ややこしくする」というときに使います。
希望の光
英語:silver lining
意味:直訳すると「銀色の裏地」という意味ですが、これは雲の周囲を囲む (漏れている) 太陽光を意味します(下記画像参照)
比喩的に、「困難な状況における希望やポジティブな側面」という意味になります。雲が覆いかぶさっているような困難な状況でも、常に光は何処かから漏れている、という事ですね。”every cloud has a silver lining” (どんな雲でも銀色の光が周囲から差している=どんな悪い状況でも希望はある)という諺としてよく使われますが、” have a sliver linig” (希望の光はある) のようにも使われます。
奥の手
英訳:have a (trump) card up your sleeve
The company may have a card up its sleeve, so it’s possible that it could make a surprise announcement at the event.
(訳)あの企業はまだ奥の手を隠し持っているかもしれず、イベントでサプライズ告知をすることはありうる。
解説:「袖(の裏)の上側にカードを持っている」という意味で、まだ表に出していない効果的な計画、考えがある時に使えます。ただ、日本語の「奥の手」は差し迫った時しか使えない禁じ手のようなニュアンスもあるので、訳としては「まだ明らかにしていない手、考え」の方が近いかもしれません。
最後の砦
英訳:last bastion
The internet is the last bastion of freedom under the global crisis.
(訳)この世界の危機的状況下では、インターネットが自由を得る最後の砦だ。
「砦」と同様に、bastionは「要塞や城などの戦いから身を守る場所」という意味で、比喩的に「存在が脅かされている物を守る最後の砦」という意味で使われます。
〜に首を突っ込む
英訳:poke one’s nose in/into ~
Stop poking your nose into our business. *
(訳)私たちの事に首を突っ込むのはやめてよね。
* ここでのbusinessは「ビジネス」ではなくて、「個人的な事柄」と言う意味です。Mind your own business で「自分のことだけに集中しろ/余計なお世話だ」という意味になります。
解説:直訳すると「〜に鼻を突っ込む」という意味で、日本語で言う「首を突っ込む」という意味になります。poke(突っつく)の代わりにstick (突き刺す、差し込む)も使えます。なお、この nose(鼻)に関連した語に “nosy” (他人のことに必要以上に興味を示す)という形容詞があります。例えば、“nosy neibughours” で「お節介な隣人」と表現できます。他人の問題を “嗅ぎつけて” 干渉してくるイメージですね。似た意味の動詞には、 meddle in (余計な干渉をしてくる)や interfere (干渉する)という表現があります。
焼け石に水
英訳:a drop in the ocean
One million yen is just a drop in the ocean considering the scale of the problem
(訳)その問題の規模を考えた時、100万円では焼け石に水に過ぎない。
解説:直訳すると 「海への一滴」という意味で、(全体と比べると)量が僅かでほとんど意味がないことを表します。以下の文は、マザーテレサの有名なセリフです。
We ourselves feel that what we are doing is just a drop in the ocean. But the ocean would be less because of that missing drop.
(訳)我々が行っていることが単なる「大海への一滴」である(ほとんど影響がない)ことは我々自身感じています。しかし、この一滴もなければ、その分だけ海の水量は減ってしまうのです。
一発屋
英訳:one-hit wonder
I wish those one-hit wonders hadn’t disappeared from MLB yet.
これらの一発屋プレーヤーが、メジャーからまだ消えていなかったよかったのに。
解説:以前、一発屋の意味を英語で解説する記事を書いた後にこの単語を見つけて、なんだ丁度良い訳があったのかーってなりました。ただ、日本語では芸人のイメージが強いですが英語ではアーティストやアスリートに対してよく使われれます。
爆買い
英訳:bulk-buy
Why is everyone bulk-buying toilet paper after the coronavirus outbreak?
(訳)コロナウイルスの流行後に、なぜみんなトイレットペーパーを爆買いしているんだ?
解説:bulkが超巨大なものを指すので ( “the bulk of household chores” = 「山のようにある家事」)、文字通り「大量買い」もしくは「爆買い」です。
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