この記事では、Tom や John のような人の名前が使われている面白い英語イディオムをたくさん紹介します!
Dear John letter
直訳すると『「親愛なるジョンへ」手紙』ですが、意味は「(女性が男性に)別れを告げる手紙」という意味になります。手紙の内容を「親愛なるジョンへ。これまで本当に楽しかったわ。だけど…」みたいな感じとイメージしたら分かりやすいかもしれません笑。日本語のスラングで表すと「お祈りメール」が一番近いですね(実を言うと、お祈りメールの意味を日本語学習者に紹介したときに、まるで “Dear John Letter” みたいだねと教えてもらいました)
Yesterday, I received a Dear John letter from my wife
昨日、奥さんから別れを告げる手紙を渡された。
the John
先ほど、不名誉にも別れ話を告げられる男代表として使われた John ですが、“the John” で何故か「トイレ」という意味のスラングになります。なんだか、かわいそうですね…笑。ちなみに、ジョンという名前が日本では犬によく使われると知ってショックだったと、とあるJohnさんが言っていました笑。
I’ve gotta go to the John.
トイレに行かなきゃ
(and) Bob’s your uncle
イギリス英語のやや古めの表現で、直訳すると「(これで) ボブはあなたの叔父さんだ」ですが、意味は「これでバッチリだ、(これで成功は)間違いない」という意味になります。なんでそういう意味になるのかは謎ですけど、このフレーズの(少しダサい)響きがなんだか好きです笑。
Open the package and just warm it up for 5 minutes, and Bob’s your uncle.
パッケージを開けて五分間温めるだけ。そしたらもうバッチリだ!
Jack of all trades
直訳すると「全ての取引におけるジャック」で、意味は「器用貧乏な、並レベルでいろんなことが出来る」という、ややネガティブな表現です。 語源の一説によると、ここで Jack は「平凡な男」を表している、と言われています。日本語でいう「太郎」みたいな感じでしょうか。なお、このフレーズの後に “master of none” (マスターしているものは何一つない) というフレーズが付け加えられることもあります。
I’m a Jack of all trades and master of none. I should focus on something.
私は器用貧乏で何もマスターしていない。何かに集中すべきだろう。
an average Joe
アメリカ英語の表現で、“an oridinary man” (一般的、平凡な男)という意味になります。上のJack と同様に、Joeは平凡な男の代表としてここでは使われています。
I’m just an average Joe at the moment.
現時点では、俺はただの平凡な男さ
every Tom, Dick, and Harry
直訳すると「全てのトム、ディック、そしてハリー」となりますが、意味は「誰かれも、猫も杓子も」となります。ここで Tom, Dick, and Harry はよくある名前の代表で使われているため、日本語版を作ると「佐藤、鈴木、田中ら全員」って感じでしょうか。ちなみに、「猫も杓子も」を英語で解説した時に見つけた表現です。
You don’t have to open up to every Tom, Dick and Harry
誰もかれもに心を開く必要はないよ。
No way Jose
No way Jose は、No way (まさか、信じられない、無理)を単に強調したフレーズです。 Jose は ジョーズと読みそうになりますが、実際は hoʊˈzeɪ (ホウゼイ) と発音します (例えば San Jose というアメリカの地名は、元々はサンホウゼイなのですが縮まってサンノゼと聞こえることが多く、日本語でもそう呼ばれています)。そのため、このフレーズにおいて Jose は way と “ei” という二重母音で韻を踏んでおり、Joseはそのためだけに使わています。
Can you lend me some money?
お金をいくらか貸してくれない?
No way Jose!
まさか、ムリムリ!
No shit, Sherlock
この表現はかなり汚くてかつ皮肉っぽい表現なので、使う場面に気をつけるべき表現です。shit は「クソ」という意味で、直訳すると「クソ一つもねぇよ、シャーロックさんよ」という意味になります。これは、誰かがあえて言うまでもない当然・明らか(obvious) な事を言った時に、「へぇ〜そうだったんだ〜(もしかしてあなた、名探偵シャーロックホームズ)?」のように皮肉っぽい (sarcastic) 返事をする時に使われる表現です。 実際は “no shit” とSherlock を省略する場合の方が多いです。下の二つ目の例文のように、誰かが自虐した時にこれを言うと超絶皮肉ヤロウになります(ので、嫌われるかもしれません。笑)
(例1)
When someone says “I died laughing”, it doesn’t mean he or she is actually dead.
誰かが「笑いすぎて死んだ」って言った時、それは本当に死んだって意味じゃないからね
No shit, Sherlock.
へぇ〜マジ?知らなかったわ、さすが名探偵シャーロック!
(例2)
Oh I’m so stupid (あぁ私ってほんとバカだわ)
Yea no shit. (当たり前じゃん/何を今更/今知ったの?)
as happy as Larry
直訳すると「ラリーと同じくらい幸せ」ですが、意味は「もの凄く幸せ」です。先ほどの Joseのように、Larry は happyと韻を踏んでいます。オーストラリアまたはニュージーランドで生まれた表現だと言われており、一説によると、Larry は オーストラリアの当時負け知らずだったボクサーの名前に由来すると言われています。
I was as happy as Larry when I won the race
レースに勝ったとき、私はとても幸せだった
rob Peter to pay Paul
直訳すると、「ピーターから奪って、ポールに払う」で、「借金をして別の借金を返す、自転車操業状態」です。「自転車操業」の英訳を探しているときに見つけた表現です。ちなみに、rob の目的語が物ではなくて人になるのは、大学受験でよく問われる知識です(例えば、rob a wallet はよくある間違いで、正しくは rob 人 of 物で「人から物を奪う」です。一方、steal は物を目的語に取るので、steal a wallet は正しく、steal 人 は誤り)。
He robbed Peter to pay Paul again; he used another credit card to pay the debt.
彼はまた自転車操業をした。借金を返すために他のクレジットカードを使ったのだ。
peeping Tom
直訳すると「覗き見しているトム」ですが、意味は「(人の裸や行為を)覗き見して興奮する人」です。なのでここでTomはヘンタイの代表として使われています笑。このフレーズの語源は結構面白いので、少し長くなりますが以下説明します。1000年以上前、イングランドのEarl (伯爵) だった Leofric が街の市民に重い税金を課していて、妻の Lady Godivaは、多くの市民が税で苦しんでいるのを見て心苦しく思った。そこで、夫に税金を減らせないかと懇願したところ、夫は拒否し、「もし君が裸で馬に乗って街中を周ったらそうしよう」と言った。そこで Lady Godivaは市民に対して事前に(自分の裸を見られないように)窓を閉めて室内に待機するよう通達し、本当に裸で馬に跨り街を周ったところ、たった一人 Thomas (トーマス)という男だけがその命令を破り、こっそり彼女の裸を見てしまった。この逸話(実話かどうかは不明)から、”peeping Tom (Thomasnのあだ名)” というフレーズが生まれたそうです笑。
ちなみに、peeping Tom のように他人の裸をこっそり見て興奮を覚える人を “voyeur”, そうした行為や興味を抱くことを “voyeurism” と言います。英語には色々な名詞がありますね笑。
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