この記事では、フランス語・ラテン語由来のカッコいい英単語を紹介します。イタリア語由来の英単語は別の記事でまとめています。
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フランス語由来の英単語
naïve
日本語にもなっている「ナイーブ [naɪˈiːv]」ですね。ただ、日本語の意味と結構異なるので注意してください。英語でのnaïveは「単純バカな、(経験や知識不足から) 疑わずに何でも信じる」というネガティブな意味の単語です。なので、「私、ナイーブなの」等とは決して言わないようにしましょう。ちなみに、naivety で 「無知さ」「愚直さ」「経験や知恵が欠けている事」を意味する名詞になります
I was naïve enough to believe that he would be the best president ever.
(訳)私は、彼が過去最高の大統領だと信じるほど、単純バカ(浅はか)だった。
connoisseur
「コノサー [kɑː.nəˈsɝː]」と発音します。connoisseurの語源は古フランス語 (Old-French) の動詞 “conoistre” で意味は「知っている」です。転じて、今では主に「(〜に)通な人」や「(〜に)詳しい人」という意味で用いられ、食事やお酒に対する知識が豊富な人を意味します。お酒や食事の味にうるさい友人に対して冗談で使ったりもします。
(例) He is a wine connoisseur.(彼はワイン通だ。)
なお、食だけでなく芸術等にも使えます。
a connoisseur of guitars/music/art
ギター/音楽/芸術/に精通している人
camaraderie
「カマラデリー [kæm.əˈrɑː.dər.i]」と発音します。friendship (友情)の上位語で、「(長年培った)信頼と友情」という意味です。人だけでなく、団体(チーム、職場)に対しても使われます。
The camaraderie among us is beyond description.
私たちの間の友情は、言葉では言い表せない。
Building camaraderie at work is crucial for creativity and productivity
職場での友情(信頼、仲間意識)を培うことは、創造性と生産性を高めるために極めて重要だ。
vis-à-vis
「ビーザービー [viːz.əˈvi]」 と発音します。珍しく前置詞の役割を持つ外来語で、「〜に関しては」または「〜と比較して」という意味を持つかなりフォーマルな単語です。類義語表現には “regarding”, “in relation to”, “compared to”等があります。なお、visは昔のフランス語で face という意味なので、文字通りには “face-to-face”という意味だそうです。
We are in a harsh situation vis-a-vis our international competitors.
国際的な競合他社と比べて、我々は厳しい状況にいる。
extraordinaire
「イクストーディネェァー [ɪkstrɔːdɪnɛː]」と発音します。意味もスペルも “extraordinary (並外れた)” と似ている形容詞なのですが、名詞の前ではなく後ろに置かれます(ちなみに、これはフランス語と同じ語順です)。例えば、で “quizmaster extraordinaire”で 「卓越したクイズマスター」という意味になります。
grandeur
「グランジャー [ɡræn.dʒə]」と発音します。壮大さや圧倒される美しさを表現するときに使います。
I felt overwhelmed by the grandeur of nature in Alaska.
アラスカの壮大なる自然に圧倒された。
plateau
「プラトゥ [plæt.əʊ]」と発音します。(海面よりも高い場所にある) 広大な平地を意味します。この単語は比喩表現でよく用いられ、hit/reach a plateau で “(数字の上昇率などが)平坦になった、変化しなくなった”という意味になります。折れ線グラフが水平になるイメージです。
This year, the tax revenues have reached a plateau.
今年、(過去と比べた)税収(の変化率)が平となった/変化があまりなかった。
名詞だけではなく、 “Japan’s coronavirus numbers have plateaued.(日本のコロナ感染者数(の上昇率)は水平となった)”のように動詞としても使われます。
coup de grâce
「クーデグラース [kuː də ˈɡrɑːs]」と発音します。これは日本語でいう「(弱っている相手に対しての)トドメの一撃」、「息の根を止める攻撃」のことです。以下のように比喩として使えます。
Coronavirus has delivered the coup de grace to businesses that were already facing financial difficulties.
コロナウイルスは、既に経済的な困難に面していたビジネスに”トドメの一撃”をくらわせた。
cliché
「クリシェィ [kliːʃeɪ]」と発音します。これは、「陳腐な言い回し」とか「使い古された、ベタな表現」と言う意味です。例えば、「綺麗な星空ね」と女性が言ったのに対して「君の方が綺麗だよ」と言う感じです。基本的にclichéを多用するとありふれた表現や内容になってしまうので、「ライターなら絶対に使ってはいけないcliché一覧」のような英語サイトがネット上にたくさんあります。
If you want your writing to be sophisticated, you should avoid using clichés at all costs.
もし洗練された文章を書きたければ、陳腐な表現を使う事を何がなんでも避けるべきだ。
déjà vu
「デイジャーブー [deɪ ʒɑː ˈvuː]」と発音します。日本語でも使われている「デジャブ」(実際は一度も体験したことがないのに、昔どこかで体験したかのように感じる現象)ですね。I had a feeling of déjà vu. とか This is déjà vu! などと使います。
façade
「ファサード [fəˈsɑːd]」と発音します。このフランス語はさらに”facciata”というイタリア語由来でもあります。元々は建物前の立派な壁を意味するのですが、実際は比喩的に「(実際以上によくみせる)偽りの姿」というネガティブな意味になります。某国に沢山あると噂されている、見かけはすごいけど中身スカスカの建物をイメージするとわかりやすいでしょう。
She maintained/was putting up a façade of being a happy couple.
(訳)彼らは幸せなカップルであるように演じていた。
reconnoitre [UK]/reconnoiter [US]
「レカノイター [rek.əˈnɔɪ.tə]」と発音します。語源はフランス語の “reconnaître (認識する)” と言う単語の古い綴り “reconnoître”です。元々は「軍隊が敵の情報(人数や配置など)を得るために予備調査をする」と言う意味ですが、比喩的に「何かの情報や感じを得るために下調べする」という意味でも使えます。 他の表現で言い換えると、”do a preliminary inspection (予備調査する)” や “size up ~ (状況などを把握する、品定めする)” となります。ちなみに、名詞形は”reconnaissance” です。
The team was able to reconnoitre the course for the Olympic Games.
そのチームは、オリンピック用のコース(レース経路)を下調べすることが出来た。
espionage
「エスピァナージ [es pi ə nɑːʒ]」と発音します。フランス語の “espionnage“という単語から輸入した単語で、意味は「(政治や軍事情報を他国から盗み取る)スパイ活動」という政治用語です。そのような疑いが、ある国の政府にかけられたときのニュース記事で見ました。
faux pas
「フォーパー [fəʊ ˈpɑː]」と発音します。フランス語で “false step” 意味で、実際には社交的な場における恥ずかしい失敗を意味します。例えば、参加者がみんなスーツを着ている中で一人だけパーカーを来ていく行為や、結婚式の披露宴中に携帯を鳴らしてしまうのは、典型的な faux pas です。また、私が靴下を履いたままサンダルを履いていたら、イギリス人の友達に “faux pas” だと冗談で言われたこともあります。「社交的な場でのマナー(してはいけない事)」という意味でも使われ、「電車の中で大声を出す」とか「乾杯前にひとりでお酒を先に飲む」などもfaux pasと言えるでしょう。
他の英単語で言い換えるとしたら、social blunder (社交的な場での大失敗」でしょう。次に説明するfiasco「(恥ずかしい)大失敗」という単語も近いです。
ラテン語、ギリシャ語由来の英単語
vice versa
「バイスバーサ [vaɪs ˈvɜː.sə]」と発音します。「その逆もしかり」という意味のラテン語由来のフレーズで、覚えていると結構便利な単語です。
It’s very difficult to translate Japanese into English, and vice versa.
日本語を英語に翻訳するのはとても難しく、その逆(英語から日本語)もしかりである。
bona fide
「ボウナファイディ [bəʊ.nə ˈfaɪ.di]」と発音します。ラテン語由来の単語で、「真の」や「正真正銘」という意味で使われます。要は real をカッコよく言い換えたものです。
a bona fide star: 真のスター
ところで、最近日本でもこの単語が話題になりました。2020年7月12日の巨人対ヤクルト戦で、一塁走者の巨人パーラーのスライディングが守備妨害と判定された時に「『ボナファイド』を適用して…」というアナウンスが場内を流れたようです。これは、”a runner has to make a bona fide slide.”(ランナーは真のスライディングを行わなければならない)という野球規則の事を指しています。
prima facie
「プライマフェーシ [praɪ.mə ˈfeɪ.ʃi]」と発音します。ラテン語由来のフレーズで、直訳は “at the first appearance(一見で、初見で)” です。法関係の文脈では「(反駁されないかぎり)明らかな」や「一見しただけで自明な = self-evident」という意味で、副詞または形容詞として使われます。
(例 )
“prima facie illegal”:明らかに(矛盾や合法の根拠が提出されないかぎり)違法だ
“a prima facie evidence/case” :自明な、立証するのに十分な証拠、ケース
(the) status quo
ラテン語由来の表現で、発音は「ステイタスクオ [steɪ.təs ˈkwəʊ]」、意味は「今の状況、現状」です。the current/present situationをカッコよく言い換えたものですね。
per se
「パーセー [pəː ˈseɪ]」と発音します。ラテン語由来の単語で、「それ自身は」という意味です。by itself をカッコよく言い換えたものです。
The idea was not very unique, per se.
そのアイデア自身は、それほど独自なものではなかった。
sine qua non
ローマ字読みで「シネクワノン [sɪn.eɪ kwɑː ˈnəʊn]」と発音します。ラテン語由来の名詞で、「必要不可欠、なくてはならないもの」という意味です。an importat/necessary/indispensable thing をカッコよく言い換えたものです。
Perseverancea is a sine qua non of success
忍耐力は成功するためになくてはならないものだ。
alma mater
「アルママータ [ælmə mɑːtə]」と発音します。ラテン語由来の表現で、英語に直訳するとは “nourishing mother” 「(才能などを)はぐくむ母」 で、実際は「母校」と言う意味になります。日本語でも「母」と言う言葉が使われていて面白いですね。自分の母校を誇りに思っている人は、カッコつけて “my alma mater” なんて言ってみるといいかもしれません。
I feel very honoured to return to my alma mater as a lecturer.
大学講師として母校に戻ってきたことを大変光栄に思う。
hubris
「ヒューブリス [hjuːbrɪs]」と発音します。古代ギリシャ語由来の単語で、「過大なプライド、自信」という意味です。元々は「神を冒涜するような傲慢さ」という意味だったようですが、現在ではより一般的な意味として使われています。
The catastrophe was created entirely by the government’s hubris.
この大惨事は完全に政府の傲慢さによって引き起こされたものである。
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