役不足の本来の意味
よく誤用される単語として有名ですが、本来の意味は
- 「その人の能力に対して,与えられた役や役目が軽すぎること」
ですので、気をつけましょう。
(例)あんなチョイ役はベテランの彼には役不足だ(もっと重要な役を与えるべきだ)
そのため、「そんな重要な仕事、私なんかじゃ役不足です」と謙遜のために役不足を用いるのは本来は誤用で、その場合は役不足ではなく「力不足」や「器でない」を使うべきです。
「役不足」を英語で表現
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(人) be overqualified for (役職, 仕事)
「人が役職に対してoverqualified(必要とされるレベルをはるかに超えている)」という意味です。言い換えると「その役職はその人にとって役不足だ」という意味になります。役不足は役職が主語になるのに対し、overqualifed は人が主語になる点に注意。
(例)The veteran player is overqualified for a backup position.
「あのベテラン選手にとって、控えの役割は役不足だ」
overqualifiedといえば、シャーロックホームズの登場人物であるジョン・ワトソンが “you’re a bit over-qualified”と診療所の就職面接で言われるシーンがありました。町の小さな診療所の医師として、アフガニスタンで軍医を務めるなど異例の経歴を持つジョンはover-qualifiedだとみなされたわけです。
なお、反対語はunderqualifiedで「力不足、能力が足らない、器でない」という意味です。
(例)I am underqualified for the job
「その仕事をやるのは私の器ではない」
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(役職, 仕事) is too trivial for (人)
「その人にとっては、その役職はくだらなすぎる」という意味です。「(役職が人にとって)役不足」という日本語の語順を保つのであれば、こちらの表現となります。
物の「役不足」の英語表現
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over-engineered
「必要以上に複雑、多機能」の場合に使えます。外国人にとって日本のトイレはover-engineered でしょう。
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overkill
こちらも「必要以上に高性能で無駄」「やりすぎ」という文脈で使われます。おそらく、戦闘などで過剰な武器を使って相手を撃破 (kill) する行為から、このような意味が生まれたのでしょう。
(例)10GB is overkill for a phone 「10GBもスマホに必要ない、やりすぎ」
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